地方移住に大打撃?走行距離課税について解説
こんにちは、スミオです。
当サイトでは、これから移住について本格的に検討していきたい人向けに、漠然とした悩みから移住完了までの道のりをご案内しています。
地方移住した場合、公共交通機関が発達していない地域での生活には自家用車が必要になります。
車を買うと排気量に応じて自動車税を支払わなければなりません。たとえば軽自動車なら排気量660ccなので10,800円、排気量1500ccなら34,500円というように車種によって自動車税は決まるので税負担が事前にわかりやすいです。
しかし現在、この自動車税に代わる新たな税制として「走行距離課税」の導入が検討されています。そして走行距離課税は地方移住者にとって経済的に大ダメージになりかねない税負担です。
そこで本日は、現在検討が進められている走行距離課税について徹底解説します。
この記事を読むことであなたは移住の失敗の一つを回避することができるようになりますのでぜひ最後までご覧ください。
走行距離課税とは?
走行距離課税とは、自動車で一年間走行した距離に応じて翌年の税負担が決定する制度のことです。
冒頭でも述べた通りこれまでは排気量に応じて自動車税を納める制度でした。しかしこの自動車税に代わる新たな制度として走行距離課税の導入が検討されています。
事の発端は2022年10月26日に行われた税制調査会で参加委員から「例えば、走行距離に応じて課税するとか、そういうかなり踏み込んで具体的な走行課税について議論することを私は提案したい」と発言したことがきっかけです。
この提案の背景には、財源確保を目的とした以下の要素が絡んでいます。
- 自動車保有台数の減少
- ハイブリット車、電気自動車によるガソリン税の減収
- 今後電気自動車が普及することによる自動車税の減収
順番に見ていきましょう。
自動車保有台数の減少
まずはこのグラフをご覧ください。
1966年から2006年まで自動車の保有台数はきれいな右肩上がりの成長を見せています。しかし2007年から2017年までの10年間はほぼ横ばいです。
そして今後は日本の人口減少が確実視されていることを考えると、保有台数は減少に転じることが予想されます。
保有台数が減ればその分だけ自動車税やガソリン税など、自動車に関係する税金が減収することに直結するため、その穴を埋めるための政府は新たな財源確保に動いています。
ハイブリット車、電気自動車によるガソリン税の減収
2002年から2022年の20年間で、ハイブリット車・電気自動車の割合は増加しています。
トヨタのプリウスがハイブリット車の先駆けとして市場に投入されて以降、各メーカーも追随してハイブリット車を投入しています。
また近年では米国企業のテスラが電気自動車の販売を拡大させているにともない、トヨタも電気自動車の開発に注力しています。
ハイブリット車と電気自動車がガソリン車に取って代わるということは、ガソリンの消費量が減ると言うことです。そうなればガソリン税と消費税が減収になりますので政府は新たな財源確保に動いています。
今後電気自動車が普及することによる自動車税の減収
ガソリン車とハイブリット車の場合、排気量に応じた自動車税を納めることになります。しかし電気自動車はそもそもガソリンエンジンが非搭載なので排気量というものがなくなります。そのため現行制度の電気自動車は1,000cc以下の扱いとなり、29,500円の自動車税となります。
もしガソリン車・ハイブリット車が衰退し、電気自動車の時代が到来した場合には現行制度の自動車税のままでは減収が確実になりますので、政府は新たな財源確保に動いています。
走行距離課税のメリット
現行の自動車税との比較でのメリットを見ていきましょう。
まず走行距離に応じて課税されるということは、つまり走らなければ税金を安く抑えられるということです。
そのため週末ドライバーは現行制度よりも税負担が安くなります。
また現行制度で大きい排気量によって重い税負担をしていた場合、走行距離課税になった場合は大きい排気量でもそんなに走らなければ税負担が軽くなることも見込まれます。
走行距離課税のデメリット
デメリットはやはり地方に住む人にとって税負担が重くなることです。
週末ドライバーにとってメリットになる一方で、地方では車が生命線なので毎日それなりに走行することを考えれば、地方に住む人たちの税負担が現行制度以上に重くなることが懸念されます。
スミオは地方移住を推進しているため、この走行距離課税が検討されることに対して賛成できかねる立場です。
時代に応じて社会の様態も変化していくとはいえ、もう少し地方に住む人たちの負担に目を向けてくれることを願うばかりです。
まとめ
以上、走行距離課税について解説しました。この新たな税制は地方移住にとって足かせに成りかねないので今後も注視していきたいと思います。