【自治会トラブル】神戸市ゴミ捨て場出禁問題
こんにちは、スミオです。
当サイトでは、これから移住について本格的に検討していきたい人向けに、漠然とした悩みから移住完了までの道のりをご案内しています。
神戸市では現在、自治会非加入のとある夫妻が自治会からゴミ捨て場を出入り禁止の制裁を科されたという事案が発生しており、夫妻が自治会に対して損害賠償請求とゴミ捨て場を利用する権利を確認する裁判を起こしたというニュースが流れています。
当ブログでも自治会加入の賛否について取り上げるほどに地方移住と密接に関わる話題です。
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本件の裁判が確定した暁には判例として社会一般のルールとされます。そこで本日は本件の神戸市自治会ゴミ捨てトラブルについて徹底解説します。
この記事を読むことであなたは移住の失敗の一つを回避することができるようになりますのでぜひ最後までご覧ください。
神戸市自治会ゴミ捨てトラブルの概要
2022年11月19日、ヤフーニュースで『自治会非加入でゴミ捨て場「出禁」は違法か 最高裁に舞台が移った住民トラブル』という記事が配信されました。記事の内容を要約すると次のようになります。
- 神戸市の自治会に未加入の夫妻は、自治会よりゴミ捨て場の利用を拒否される。
- 夫妻の家はゴミ屋敷と化す。
- 夫妻は自治会に対し損害賠償請求とゴミ捨て場を利用する権利の確認を求めた裁判を起こす。
- 自治会側は「会費を払っていないのに利用を認めれば、自治会員との間で著しい不平等が生じる」と主張する。
- 一審は【自治会の行為は違法・夫妻のゴミ捨て場を利用する権利はある】と判決。
- 二審は【自治会の行為は違法・夫妻のゴミ捨て場を利用する権利はない】と判決。
- 双方は二審を不服として上告(最高裁判決を待つことになる)。
詳しく見ていきましょう。ヤフーニュースおよび産経新聞を引用しつつ解説します。
事の発端
平成31年、夫妻が住む住宅街のゴミ捨て場はそれまで都市再生機構が所有していました。しかしゴミ捨て場の所有権を自治会に譲渡したことがきっかけで、自治会はゴミ捨てのルールを制定することになります。
具体的には、都市再生機構が所有していた時代のゴミ捨て場は誰でも利用可能だったのに対し、自治会所有になってからは自治会会員のみに利用を制限し始めたのです。夫妻は自治会未加入です。
そのため自治会は夫妻に対し自治会加入と会費の支払いを求めましたが、夫妻はこれを拒みました。(運営に携わる会員の年会費は3,600円、運営に携わらない会員の年会費は10,000円)
このことで自治会は夫妻をゴミ捨て場の出入り禁止処分を行ったため、夫妻宅はゴミ捨ての手段がなくなりゴミ屋敷化してしまいました。
夫妻の主張
令和2年、夫妻としては自治会の対応について「所有権の乱用」と主張し、損害賠償やごみ捨て場を利用する権利の確認を求める訴訟を神戸地裁に起こしました。
自治会の主張
一方、自治会側は「会費を払っていないのに利用を認めれば、自治会員との間で著しい不平等が生じる」と主張し、裁判で争う姿勢を見せました。
一審の判決
神戸地裁は令和3年9月、夫妻にはごみ捨て場を利用する権利があると認めるとともに自治会の対応は違法として、計20万円の損害賠償を命じました。
判決の趣旨としては「地域のごみ捨て場の利用を禁じられると、家庭ごみを排出する手段を失う」という神戸市の制度を咀嚼したうえでの見解を示し、「ごみ捨て場の管理は(誰もが利用できる)行政サービスの一環といえる。一部の住民を排除するのは相当ではない」として原告(夫妻)の主張を受け入れました。
二審の判決
一審判決を不服とした被告(自治会)は控訴し、大阪高裁の二審判決にゆだねることになりました。
そして令和4年10月、二審が開かれ、自治会の対応は違法という一審と同様の判断を下しました。
ただし夫妻のゴミ捨て場の利用する権利は認めず、一審とは異なる判決を下しました。その理由は「自治会に入っていなくても維持管理費などの負担を求めればよい」として、そうした金銭負担の提案を夫妻にすることなく出入り禁止としたのは、入会の強制に等しいとして計30万円の支払いを命じました。
つまり、一審では非自治会員にも無条件でゴミ捨て場の利用の権利があると示した一方、二審では非自治会員にも管理費負担を求められることを示しました。しかしどちらも出入り禁止の行為については違法と言う同一見解を示しています。
二審判決に対して原告・被告の双方が不服申し立てを行い上告しました。今後は最高裁の判決に委ねることになります。
スミオの見解
ゴミ捨ての権利が奪われると日常生活に多大な悪影響を及ぼすため、今回のケースは重要視していきたい事例です。
まず移住希望地の移住相談窓口にこうしたトラブルの事例が無いか、またゴミ捨てのルールや自治会運営がどうなっているかなど、調査を重ねることをおすすめします。
とくに住民同士のトラブルは最悪の場合、村八分に晒される危険があります。村八分問題は過去記事でも取り上げてますのでご確認ください。
まとめ
以上、自治会加入のゴミ捨てトラブルについて解説しました。最高裁判決はそのまま社会ルールとして運用されていくことになるので最高裁判決が出るのを待ちましょう。